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庭の雑草を刈る 〜見つけ次第に取る〜

 先日、昔からなじみにしているお客さんのお宅を3カ月ぶりくらいに訪ねました。縁側から庭を見せてもらうと、何と草ぼうぼうではありませんか。本来、芝生が青々と美しい庭なのですが、ちょっと目を離すとこれです。


 若い職人を動員して、その日1日、芝生の草取り作業に追われた次第です。

 あるプロ野球選手を「草魂」などと形容していましたが、雑草は「草魂」の元祖。非常に逞しい。憎まれっ子、世にはばかるというやつです。オヒシバ、メヒシバ、カヤツリグサと、スキを見せるとすぐに侵入してきて、所かまわずにちゃっかりと根を下ろしてしまいます。うかうかしているとたちまち生長して増え、やっかいな難敵となって、あなたの快適なガーデンライフの前に立ちふさがりますよ。

 芝生地の草取りには除草剤を使うという手もありますが、それは公園やゴルフ場といった広い芝生地でもっぱら行う方法で、一般住宅の庭にはあまりお勧めできません。取り扱いに注意が必要ですし、ほかの植物に影響を与えてしまうこともあるからです。雑草は、まだ小さくて数が少ないうちに、見つけ次第取ってしまうことが最も確実なのです。

 草取りには、柄が15cmくらいの小さなカマを使うと楽です。カマの刃の先を草の根元に斜めに刺して、テコの原理でグッと根こそぎ抜き取るようします。根を残してしまうと、雑草どもはまた一段と強くなって再生しますから…。  

 芝と雑草は常に国取り合戦をしています。芝が衰弱すると雑草はすぐに攻め込んできて領土を侵しにかかります。逆に言えば、芝生を丈夫に密に生育させていれば雑草の入り込む余地はなくなるのです。芝生が生長する春から秋にかけて月に1〜2回はきちんと刈り込み、また適切な量の肥料を与えることが大切です。刈り込みの高さは、芝生を美しく見せるのには地表から1〜2cmくらいが適当なのですが、4〜5cmと少々高めにすると、地表まで光が届かずに雑草の侵入を防ぐことができます。肥料は粒状の芝生専用肥料が市販されていますので、用法を守って与えます。与え過ぎは敵(雑草)に塩を送ることになるので要注意。

 高温多湿の日本では、庭の手入れはいつ果てるとも知れぬ雑草との戦いです。観光名所となっている京都の庭なども日々の草取りによって美しさを維持しているのです。


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