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花咲く生垣を 〜庭に華やかさを生む〜

 生垣をつくる場合に、費用の一部を補助してくれる制度を取り入れている自治体が全国的に多くなってきました。「○○さんのところが生垣にしたから、うちも」というように草の根的に広がり、1戸1戸の住宅が緑を増やせば、それだけ地域の緑化につながります。われわれにとっては大変喜ばしいことですね。


 敷地いっぱいに家を建てていても50cmほどの幅があれば生垣を仕立てることはできます。家の周りを少しでも緑で囲んでやると、それだけ余裕が生まれて敷地は広く見え、通りすがりの人も気持ちよく道を歩けるのです。

 ところで従来、生垣というと、丈夫で刈り込みに耐え、枝葉が密に茂るイヌツゲやカシ類、カナメモチ、ヒノキ、サワラなどの常緑樹が定番でした。しかし、ガ−デニングブ−ム以来、庭に華やかさが求められるようになり、花の咲く生垣が好まれるようになってきています。

 混ぜ垣といって従来の常緑樹の生垣にレンギョウやユキヤナギを混ぜたり、あるいはツルバラやクレマチスなどを絡ませたりと、さまざまな花の生垣が見られるようになりました。また、新緑や紅葉の美しい木を混ぜると四季折々に楽しむことができます。

 ここで、これから生垣としてはやりそうな木を1つ紹介しましょう。アカバナトキワマンサクです。

 白花のトキワマンサクは古くからありましたが、これは近年、中国から移入された新しい種類で、現在盛んに生産され、日本から海外にも伝えられて人気を集めています。このアカバナトキワマンサクはその名の通り鮮やかな赤い花を4月ごろに咲かせます。花は非常に多く、比較的長く咲いていますので、美しさをゆっくりと観賞できますし、刈り込みにも強いので、生垣にはもってこいです。なお、この木には葉が緑の品種と赤紫の品種があり、緑葉のものは赤い花とのコントラストが美しく、赤葉のものは花のない時期も色合いを楽しむことができます。

 アカバナトキワマンサクは、現代風の華やかさを持つおしゃれな生垣として、若いガーデニング世代の人たちにも十分に受け入れられそうな気がします。

 庭師というと伝統的な職人のこだわりの世界というイメージが強く、少々古めかしい職業だと思っていませんか? でも私たちだって流行を先取りしようと常にアンテナを張り巡らせているのですよ。


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