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ヤノイスアブラムシ

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 公園や庭木にイスノキの植栽を時々見かける。常緑照葉樹で厚みのあるモチノキの様な葉なので親しみやすく、好きな樹木である。
 最近、我が家の近くの公園にあるイスノキの葉に直径1cm程度の円形のコブが沢山できて気持ちが悪い状態になっている。夏頃にはこのコブが褐色になり、大きく十文字に割れるので、観賞上極めて都合が悪い。



 これはヤノイスアブラムシの悪戯である。越冬したヤノイスアブラムシのメスが春になって葉が展開した頃、この木の葉に寄生する。葉の細胞はこのアブラムシの刺激で巨大な細胞を作りドーム型の「虫えい」をつくるので、アブラムシはその中で繁殖を繰り返し、夏を迎える。やがて「虫えい」から飛び出したアブラムシは冬支度をととのえ、来年の葉の展開を待つ。

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ヤノイスアブラムシによる被害葉

 アブラムシの種類によってはケヤキやエノキに徳利型の「虫えい」を作るもの(ケヤキフシアブラムシ等)、葉を萎縮病の様に縮緬状にし、その中に住む者(サクラコブアブラムシ、リンゴコブアブラムシ等)や白い蝋状の糸で身体を覆うもの(マツノカサアブラムシ等)様々な形態をしたものも多い。

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リンゴコブアブラムシによる被害葉

防除


 上記のアブラムシは薬剤が身体に付着しないか、付着しにくいので防除が困難な害虫である。春先にスミチオン乳剤800倍かディプテレックス乳剤1000倍を丁寧に散布する事が大切である。「虫えい」が出来てしまうと薬剤防除も効果が無いので、被害枝を切り取って適切に処理して欲しい。


(造園連新聞18年2月1日付、
 981号掲載)
<文と写真>
  (株)三共緑化 顧問 井村光男
一般社団法人
日本造園組合連合会
(略称:造園連)

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ヤノイスアブラムシ|一般社団法人日本造園組合連合会(略称:造園連)