運搬用具
台車・一輪車・ころ・そり・ワイヤーロープ・スリング・滑車・チェーンブロック・三又・チルホール・神楽桟・キリンジャッキ
1.だいしゃ
現場内で、石や樹木、建築材料などを運搬するには、人力で動かせる、地車を使用すると便利である。地車には、いろいろな形式のものがあり、エンジンがついている動力式のものもある。

2.いちりんしゃ
現場内で、石材や土砂、セメント、その他の施工資材を人力で運搬するもの。通称「猫」あるいは「猫車」と呼ばれる。
手前についている2本のグリップを両手で持ち上げて、バランスを取りながら押して運ぶ。
台車に比べると積載力がやや劣るが、小回りがきき、狭い場所や障害物が多い場所で使いやすい。

3.ころ
ソリと同じように、昔は、現場内等における比較的短距離の重量物の移動には、コロがよく使われた。
コロもソリも、最近では小型の運搬機械にとって代わられたが、コロは、狭い場所内での運搬や数十tの大木の移動を行う場合などに現在でも使われている。
コロを使用するときは、地面に道板を敷き、その上にコロを並べ、コロの上にコシタ(ヒラ)を載せて、その上に重量物を載せるようにする。このとき、コシタの上の重量物が安定するように、角材などを荷とコシタの間にはさむ。この角材をかんざしという。そして、ワイヤなどをかけて、ウインチ等で引っ張って移動する。
普通の現場で使うコロは、直径10〜12cm、長さ1.2〜1.5mくらいで、堅木製または金属製である。コシタは、載せる重量物にもよるが、ケヤキやカシ等の堅木製で、例えば2〜5tくらいの重量物を載せるには、その断面が15〜20cm×20〜30cm、長さは1.5〜3.0mくらいのものを用いる

4.そり
ソリは、現場内等の短い距離を、石や重い樹木を乗せて引っ張るための道具である。多くは堅木製で、幅40〜50cm、長さ2mくらいのものがよく使われている。
ソリ道といって、長さ90cm程度の、丸太を半割りにしたような材を何本も地面に並べ、これに油を塗って、その上を滑らせる。普通は、0.5〜3.0tくらいの重量物を運搬するのに使われる。
このソリは、大きな建設機械等が入れないような、狭い現場での材料運搬には大変便利である。

5.ワイヤーロープ
鋼線をより合わせてつくったロープで、樹木や石材などの重量物を吊り上げるときに使われる。
油を浸み込ませた麻のロープを心鋼(芯)にして、7〜61本の鋼線(素線)をより合わせた子縄(ストランド)を、さらに6本、あるいは8本より合わせて1本のロープとしたもの。強度が大きく、柔軟性に富む。
造園工事には、もっぱら玉掛け用のワイヤーロープが使われることが多い。玉掛け用は末端に輪をつくって、ストランドがほぐれないように処理してある。この輪を「蛇口」という。蛇口のつくり方には、クリップを使って留める方法や、編み込む方法、特殊な金属を使った圧縮留めという方法がある。

6.スリング
合成繊維でつくられた丈夫なベルト。樹木や庭石などをクレーンで吊る際に、傷まないようにワイヤーロープの代わりに使われる。ベルトの両端が輪になったものと、全体が1つの輪になったものがある。

7.滑車
(1)滑車とは
滑車は、重量物を引っ張るときや、吊り上げ、または吊り降ろす場合に使う。普通は鉄製で、何組かの滑車を組み合わせたものもある。
(2)滑車の力学
滑車の利用の仕方には、定滑車と動滑車がある。定滑車は、力の方向を変えるだけで、力の大きさや距離は変わらないが、動滑車は、力が半分になり、ロープを引く距離は2倍になる。
この原理を応用することにより、いくつかの滑車を組み合わせて、引っ張る方向を変えたり、引っ張る力を小さくすることができる。

8.チェーンブロック
チェーンブロックとは、小さい力で、庭石などの重量物を吊り上げるための、滑車と歯車を組み合わせた道具である。人がチェーンを引くことによって、歯車を回転させ、何枚かの歯車を介した後、吊り上げ用のチェーンを引き上げる仕組みになっている。
天井に据え付ける形式のものでは、数10tを吊り上げられるものもある。しかし、造園現場で使用する、1〜2人で取り付けられるものは、大体5t程度までの樹木や石材の上げ下ろしができるもので、その揚程は2〜4mくらいのものが多く使われている。

9.三又
三又とは、3本の丸太、または鉄パイプ等の上部を結束したもので、下部を三方に開いて、上部にチェーンブロック等を吊り下げるのに用いる。

10.チルホール
重量物を引っ張るためのドイツ製の手動式で、型式によっては最大1.5tくらいまでの牽引能力がある。大きさは荷重能力によって異なるが、幅が50〜80cm、自重が7〜15kgほどである。なお滑車を使用することにより物を吊り上げることも可能となる。
台付けのワイヤロープの一端を、大木その他のしっかりした構造物に結び、もう一端をアンカーフックに掛け、荷にもロープガイド側の台付けワイヤロープをしっかりと掛け、前進レバーを動かして荷を引っ張る。アンカーフック側の台付けに荷を取りつけた場合はバックレバーを動かして引っ張る。
使用にあたっては、決められた重量以上のオーバーロードは絶対に避け、1カ月に最低1回は必ず自主点検することが大切である。

11.かぐらさん
2〜4人で軸にロープを巻きながら、石や大木などの重量物の運搬を行う装置。
太い柱を軸とし、そこの丸太などの回し棒を、横向きに取り付けている。2〜4人で回し棒を押して軸に綱を巻き取り、荷をたぐり寄せる。
海岸で地き網を巻き取る装置と同じ構造であり、昔は石を曳くための主力的な道具であったが、現在はウインチにとって代わっている。

12.キリンジャッキ
ネジの回転が生じる推力を利用して、重量物を垂直方向に持ち上げる器具。手回しハンドルの付いた箱の中に歯車装置が収められている。12〜18t程度までの重量物を20〜30cmほど押し上げるのに用いられる。
手動で動かす、ジャッキの中でも、もっとも簡単な構造のものである。

1.だいしゃ
現場内で、石や樹木、建築材料などを運搬するには、人力で動かせる、地車を使用すると便利である。地車には、いろいろな形式のものがあり、エンジンがついている動力式のものもある。

2.いちりんしゃ
現場内で、石材や土砂、セメント、その他の施工資材を人力で運搬するもの。通称「猫」あるいは「猫車」と呼ばれる。
手前についている2本のグリップを両手で持ち上げて、バランスを取りながら押して運ぶ。
台車に比べると積載力がやや劣るが、小回りがきき、狭い場所や障害物が多い場所で使いやすい。

3.ころ
ソリと同じように、昔は、現場内等における比較的短距離の重量物の移動には、コロがよく使われた。
コロもソリも、最近では小型の運搬機械にとって代わられたが、コロは、狭い場所内での運搬や数十tの大木の移動を行う場合などに現在でも使われている。
コロを使用するときは、地面に道板を敷き、その上にコロを並べ、コロの上にコシタ(ヒラ)を載せて、その上に重量物を載せるようにする。このとき、コシタの上の重量物が安定するように、角材などを荷とコシタの間にはさむ。この角材をかんざしという。そして、ワイヤなどをかけて、ウインチ等で引っ張って移動する。
普通の現場で使うコロは、直径10〜12cm、長さ1.2〜1.5mくらいで、堅木製または金属製である。コシタは、載せる重量物にもよるが、ケヤキやカシ等の堅木製で、例えば2〜5tくらいの重量物を載せるには、その断面が15〜20cm×20〜30cm、長さは1.5〜3.0mくらいのものを用いる

4.そり
ソリは、現場内等の短い距離を、石や重い樹木を乗せて引っ張るための道具である。多くは堅木製で、幅40〜50cm、長さ2mくらいのものがよく使われている。
ソリ道といって、長さ90cm程度の、丸太を半割りにしたような材を何本も地面に並べ、これに油を塗って、その上を滑らせる。普通は、0.5〜3.0tくらいの重量物を運搬するのに使われる。
このソリは、大きな建設機械等が入れないような、狭い現場での材料運搬には大変便利である。

5.ワイヤーロープ
鋼線をより合わせてつくったロープで、樹木や石材などの重量物を吊り上げるときに使われる。
油を浸み込ませた麻のロープを心鋼(芯)にして、7〜61本の鋼線(素線)をより合わせた子縄(ストランド)を、さらに6本、あるいは8本より合わせて1本のロープとしたもの。強度が大きく、柔軟性に富む。
造園工事には、もっぱら玉掛け用のワイヤーロープが使われることが多い。玉掛け用は末端に輪をつくって、ストランドがほぐれないように処理してある。この輪を「蛇口」という。蛇口のつくり方には、クリップを使って留める方法や、編み込む方法、特殊な金属を使った圧縮留めという方法がある。

6.スリング
合成繊維でつくられた丈夫なベルト。樹木や庭石などをクレーンで吊る際に、傷まないようにワイヤーロープの代わりに使われる。ベルトの両端が輪になったものと、全体が1つの輪になったものがある。

7.滑車
(1)滑車とは
滑車は、重量物を引っ張るときや、吊り上げ、または吊り降ろす場合に使う。普通は鉄製で、何組かの滑車を組み合わせたものもある。
(2)滑車の力学
滑車の利用の仕方には、定滑車と動滑車がある。定滑車は、力の方向を変えるだけで、力の大きさや距離は変わらないが、動滑車は、力が半分になり、ロープを引く距離は2倍になる。
この原理を応用することにより、いくつかの滑車を組み合わせて、引っ張る方向を変えたり、引っ張る力を小さくすることができる。

8.チェーンブロック
チェーンブロックとは、小さい力で、庭石などの重量物を吊り上げるための、滑車と歯車を組み合わせた道具である。人がチェーンを引くことによって、歯車を回転させ、何枚かの歯車を介した後、吊り上げ用のチェーンを引き上げる仕組みになっている。
天井に据え付ける形式のものでは、数10tを吊り上げられるものもある。しかし、造園現場で使用する、1〜2人で取り付けられるものは、大体5t程度までの樹木や石材の上げ下ろしができるもので、その揚程は2〜4mくらいのものが多く使われている。

9.三又
三又とは、3本の丸太、または鉄パイプ等の上部を結束したもので、下部を三方に開いて、上部にチェーンブロック等を吊り下げるのに用いる。

10.チルホール
重量物を引っ張るためのドイツ製の手動式で、型式によっては最大1.5tくらいまでの牽引能力がある。大きさは荷重能力によって異なるが、幅が50〜80cm、自重が7〜15kgほどである。なお滑車を使用することにより物を吊り上げることも可能となる。
台付けのワイヤロープの一端を、大木その他のしっかりした構造物に結び、もう一端をアンカーフックに掛け、荷にもロープガイド側の台付けワイヤロープをしっかりと掛け、前進レバーを動かして荷を引っ張る。アンカーフック側の台付けに荷を取りつけた場合はバックレバーを動かして引っ張る。
使用にあたっては、決められた重量以上のオーバーロードは絶対に避け、1カ月に最低1回は必ず自主点検することが大切である。

11.かぐらさん
2〜4人で軸にロープを巻きながら、石や大木などの重量物の運搬を行う装置。
太い柱を軸とし、そこの丸太などの回し棒を、横向きに取り付けている。2〜4人で回し棒を押して軸に綱を巻き取り、荷をたぐり寄せる。
海岸で地き網を巻き取る装置と同じ構造であり、昔は石を曳くための主力的な道具であったが、現在はウインチにとって代わっている。

12.キリンジャッキ
ネジの回転が生じる推力を利用して、重量物を垂直方向に持ち上げる器具。手回しハンドルの付いた箱の中に歯車装置が収められている。12〜18t程度までの重量物を20〜30cmほど押し上げるのに用いられる。
手動で動かす、ジャッキの中でも、もっとも簡単な構造のものである。
