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ケヤキフシアブラムシ

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ケヤキの葉にコブが?

 新緑の公園を散歩していると見知らぬ人から「今年はケヤキに沢山の実がなりましたね」と声をかけられた。よく視ると2〜3個のコブ(虫えい)が付いているケヤキの葉が沢山あったので実がなっている様に見えたのだろう。



 ケヤキの葉の表面に直径5mm前後のコブ(虫えい)が4月上旬〜下旬にかけてできる。コブは緑色で袋状を呈している。これは、ケヤキフシアブラムシが造ったコブである。同じコブでもエノキの葉に造る赤桃色の袋状のコブとはアブラムシの種類が異なる(オカホソクロアブラムシ)。

 ケヤキフシアブラムシは卵で冬を越す。4月にふ化した幼虫が新葉の裏面に寄生し、樹液を吸って生育する。この吸収による刺激で葉の細胞は異常に生り、葉の表面側に袋状のコブを造る。このコブを割ると雌成虫と数匹の幼虫が見られる。幼虫が大きくなると羽のある成虫になり、5月下旬頃このコブから脱出し、笹類に寄生して夏を過ごす。秋になって再びケヤキに移動し産卵をする。これを毎年繰り返し被害が目立ってくる。

  ケヤキに寄生するアブラムシでコブを作らない種類もある(ケヤキブチアブラムシ)。春から夏にかけて4回ほど発生を繰返すので、条件がよければ激発する。
ケヤキブチアブラムシは淡黄色の2mm程度の小さなアブラムシであるが葉の裏や表に寄生し、ケヤキの葉から樹液を吸収するので、葉は見ている内に艶が無くなり、白く色が抜け始め被害が大きくなると落葉する。街路樹のケヤキで多く見かける。

  また、このアブラムシが発生すると、ケヤキだけでなくその周辺の植物にベタベタした粘性の物質が付く、これはアブラムシの排泄物である。やがて、この排泄物にすす病菌が付き、葉全体がすす病に罹り、煤煙を被った様になり景観をすこぶる損ねる。


防除


 防除方法はケヤキフシアブラムシならコブから羽のある成虫が飛散する時に薬剤を散布したい。またケヤキブチアブラムシの場合は被害が多きいので、見つけ次第、樹全体に十分な薬液を散布して欲しい。

  薬剤はディプテレックス乳剤1000倍、トレボン乳剤4000倍またはスミチオン乳剤1000倍(但し、スミチオンはアブラナ科植物に薬害が出るので注意が必要)を散布したい。


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