ナメクジ
大雑把に言って、農作物を病害虫や雑草から守る技術分野を作物保護といい、その手段の一つに農薬がある。一方、人の伝染病を媒介する害虫等(衛生害虫等)を駆除する手段として蚊やハエの駆除剤(医薬部外品)がある。ナメクジ、ダンゴムシそしてスズメバチやムカデ・ゲジのように上記のいずれにも属さず、人から嫌われている虫?がいる。それを一般に不快害虫とよんでいる。
庭の植木鉢の底にナメクジやダンゴムシが沢山いて、気持ちが悪い思いを度々している。ナメクジは夜間、植木鉢の周辺を歩き回ると銀色の帯状のしるしが何時までも残り、不快な思いをしている。しかし、よく観察してみるとこれらナメクジやダンゴムシがパンジー、ペチュニアやギボシ、ユリ等の花や新芽を積極的に食べるし、被害も多き事が分った。
![]() | ←ナメクジ ナメクジは春先から初冬まで食害を繰り返すが特に梅雨期に盛んに活動する。また、春から初夏にかけて、湿気の多い場所に一回に10個程度の丸い白い卵を産む。ナメクジには黒っぽいノハラナメクジ、身体に縦線のある淡褐色のフタスジナメクジが一般的に見られる。 |
ワラジムシ,ナメクジの豆莢の食害→ ダンゴムシは捕まえて手に乗せると団子のように丸くなるのが特徴で、丸くならない虫をワラジムシと呼んでいる。別種である。 しかし、食害は双方ともナメクジに劣らず、多種の植物の芽や花を食害する。 | ![]() |
![]() | ←豆莢の被害(白い莢の部分は食害の痕) |
防除
ナメクジ:
空き缶にビールを入れておくと沢山集まるが、やはり薬剤防除が的確である。ナメクジ退治、ナメダウン等の粒剤を植木鉢の周りや発生している所に散布すると便利である。
ダンゴムシ:
ワラジムシ:
発生している所にワラジキールやワラジダウン等の粉剤を散布するか、ワラジキールゾルのようなエアゾールの散布が望ましい。 ただし、散布するところが農作物(花や植木も含む)の場合は農薬登録のある薬剤を散布する事が大事である。
(造園連新聞18年 4月11・21日付、 986号掲載) | <文と写真> (株)三共緑化 顧問 井村光男 |